NEW駒井裕子さん・篤さんの就農事例(H27年就農 井原市・有機人参)を紹介します

自分たちのペースでゆっくりと着実に。就農で実現する家族の幸せのカタチ

井原市美星町の山に囲まれた谷あいの小さな畑で、有機人参を栽培する駒井篤さん、裕子さんご夫妻。「高校生の頃から農家になろうと決めていた」という裕子さんは、その言葉通り、若くして農業を学び、2015年に独立。息子さんにも恵まれ、家族で土と触れ合っている、今どき珍しい?芯の通った若い女性のリア充就農ストーリーです。


「農業をやろう」と決めた女子高生が、カリフォルニアでオーガニックと出会う

つくった分だけ売れる人気の有機人参

井原市美星町で生まれ育った裕子さんは、高校生の頃に「農業をやろう」と決めたといいます。「両親は非農家だったのですが、将来は農業で食べていけるようになろうと思っていました。子どものころから植物を育てることが好きだったので、なんとなく、農業がいいなぁって」。


高校生の頃からやりたいことがはっきりとしているだけでもすごいことですが、ちょっと変わった女子高生だったようです。

そのちょっと変わった女子高生は、高校卒業後、アメリカ・カリフォルニアに渡ります。「海外で農業を学びたかった」と裕子さん。やっぱりちょっと変わってます。


そして、裕子さんは留学先の大学で、オーガニック文化と出会います。
「2004年から2006年半ばまで留学していました。その頃はまだ今のように日本では「有機栽培」が一般的ではなくて、私もアメリカというと大規模農業をイメージしていたんですけど、少量で有機栽培をするというやり方があるんだと知りました」

これを契機に、裕子さんは有機農産物の栽培農家を志すことになります。


農家を志す強い気持ちが運を手繰り寄せるのか、帰国後は「たまたま実家の近くにあった」という全国的にも珍しい有機人参を栽培する農業法人に就職。そこで、有機人参の栽培技術を学びます。
ちなみに旦那さんの篤さんともこの会社で出会いゴールイン。正にリア充。
篤さんは元ホテルマンとのことで、やっぱりちょっと変わったご夫婦かも。


地縁を頼っての畑探し。独立、就農へ。

井原市美星町の景色を一望できる山間の畑

「農業をしたい」という夢を叶え、パートナーも得た裕子さんですが、叶えたい夢がもう一つありました。独立して農家になることです。


そのために一番の問題だったのが農地の確保。裕子さんは地元の強みを活かして農地を探します。「どこどこの畑が空いたら借りたいので教えてください」と市役所や集落の人にお願いしたり、農地を借りるのは地元でも大変です。
篤さんいわく「農地はいきなり買わずにまずは借りた方がいい」とのこと。その土地が自分のつくりたい作物に適しているとは限らないので、まずは借りて実際につくってみることが大切だと言います。


農業法人に務めながらの農地探し、その甲斐あって今の農地を無事借りることができました。家は農地を借りてから1年かけて、農地から車で5分くらいところに借りることができ、ようやく子育てと家事、畑仕事に最適な環境が整いました。


栽培しているのは農業法人で学んだ人参。「栽培技術は農業法人で学んだので、不安はありませんでした」と二人とも口を揃えます。やはり就農前に確かな技術を身につけることは、気持ち的にも大きな影響があるようです。

個人宅配のイメージもある有機野菜ですが、駒井さんは地元の青空市での販売が半分くらい。その他ジュース用人参の販社や卸の会社などに販売しています。


「個人宅配だと出荷の手間が大変ですが、まとめて販売できるので手間がかからず畑仕事に集中できます」とのこと。駒井さんの人参は、ジュースなどの需要が大変高く「つくった分だけ売れる」そうです。


家族のペースで、ちゃんと生活していける農業をしたい

畑でも家族と一緒。美星町の紅葉がきれいです

つくった分だけ売れてしまうという人気の人参。今後の展望を伺いました。
「うちの栽培方法は連作障害を避けるために農地を休ませつつ栽培しているので、農地の確保が必要になります」と篤さん。


つくった分だけ売れるけれど、効率よく大量生産とはいかないようです。

それでも「需要はあるのでしっかりつくっていきたい」と明るく言う篤さん。
裕子さんは、「でも今は子どもも小さいので家族のペースでやっていきたい」と微笑みます。

裕子さんが国の就農支援制度を利用をしているため、一定期間の補助が受けられることも、自分たちのやりたい農業の実現を支えています。


最後に、農業をやっていて一番うれしいことはなんですか?と伺うと「おいしいと食べてもらったときです」と裕子さん。
「地元の産直で販売しているので、うちの人参を選んで買ってくれる人もいて、声をかけてくれるんです」とのこと。

農業をする上で、地域とのつながりが大切です。
直接お客さんと接することもあれば、青空市の集まりや自治会、消防団など農村にはいろいろなつながりがあります。

「挨拶は大事ですね」と篤さん。
「僕たちは農業者であると同時に地域での生活者でもあります。野菜づくりも、くらしも、子育ても、地域とのつながりの中で成り立っています」。


篤さんの言葉のとおり、地域に根をはって野菜をつくり、子どもを育て、自分たちらしく日々を楽しむ駒井夫妻から、井原市美星町のくらしの豊かさが感じられました。


(TEXT:ココホレジャパン)

就農までのポイント

  • 井原市を就農地に選んだ理由
    裕子さんの出身地で就農しようと考えていたから
  • 農地の確保について
    有機栽培では周辺状況をよく確認して農地を選ぶ必要があり、当初はなかなか見つからなかった。現在の農地が候補地として見つかった後は、地域の方や行政機関に相談し、賃借することができた。
    現在は60aの面積で人参を栽培している。
  • 資金の確保について
    自己資金を中心に、トラクター等の機械については制度資金を活用した。
  • 技術の習得について
    夫婦ともに農業法人で勤務しており、人参の栽培技術を十分習得してから就農した。
  • 住居の確保について
    就農地近辺の空き家を1年かけて探し、地域の方に相談しながら現在の住宅を賃借した。

次回の掲載予定

次回は12月中旬頃の掲載を予定しています。

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